猫の写真

「猫科の一番小さな動物、つまり猫は、最高傑作である」
これは、レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した言葉です。 史上最高の画家の一人であり、人類史上もっとも多才といわれた人物も猫に魅力された一人でした。

なぜこれほどまでに美しく魅力的で、そして可愛いのか。
その答えを探し書き記すが如く、世の中には猫が登場する本がたくさんあります。

そこで今回、何度も読み返したいと思える猫小説・エッセイをまとめました。



「猫語の教科書」

「猫語の教科書」画像
出典:Amazon

著:ポール・ギャリコ
訳:灰島かり


猫が書いた“人間のしつけ方”

ある編集者のもとへ届けられた不思議な原稿、それは驚くべきものでした。なんと、猫による、猫のためのマニュアルで「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」という内容が猫目線で書かれているのです。

マニュアルを執筆したのは、子育ても経験済みの雌猫のようで、そのもの慣れた語り口調は、なんとも色っぽい感じがします。

人間が猫に奉仕するためのネタばらしの数々は、まるで手の上で転がされている気分にさせられます。でも、猫に魅せられてしまったら最後、その魔法を解くことは不可能です。

猫に対する愛情に溢れつつも可愛いだけじゃない、ユニークな視点で書かれているところがポール・ギャリコらしいです。

猫を飼っているようで、実は人間が飼われている。
猫好きの方は、優秀な召使いになるためにも読むべき一冊です。




「ジェニィ」

「ジェニィ」画像
出典:Amazon

著:ポール・ギャリコ
訳:古沢 安二郎


ぼく猫になったよ!少年の運命は?

突然、白猫になってしまった少年ピーターの恋と冒険のファンタジーです。
優しい雌猫ジェニィと出会い、ピーターが一人前の猫に成長していく姿や2匹の絆が愛おしく感じます。

こちらもポール・ギャリコの作品ですが、猫への愛情とリアルな描写に圧倒されます。
まるで前世は猫だったのか、猫になったことがあるに違いないと思ってしまうほどです。

もし、猫になったとしたら?
猫の目からは一体どんな風景がみえるのか、そして、猫の世界のルールにはどんなものがあるのか、猫好きであれば考えただけでわくわくします。

猫になってみたいという方にも、おすすめの一冊です。




「愛撫」

「愛撫」画像
出典:Amazon

著:梶井基次郎


猫への妄想がとまらない

梶井基次郎といえば、レモンを爆弾に見立てて妄想する「檸檬」が有名です。
日本文学の傑作として多くの作家に高く評価されています。

そして「愛撫」は、どんな淫靡な話かと思いきや、猫好きの妄想が詰め込まれた猫萌えエッセイです。

猫の耳に思いをめぐらす妄想からはじまり、最後には「この世のものでない休息」を得るために、ある行動をとるのですが、何度読んでも「ふふっ」となります。

ユーモア溢れる妄想が猫好きの急所を刺激する作品です。




「猫と庄造と二人のおんな」

「猫と庄造と二人のおんな」画像
出典:Amazon

著:谷崎潤一郎


これぞ日本猫文学の極北

谷崎潤一郎といえば、猫好きで有名な文豪です。生涯、数多くの猫を飼っていたようですが、そのほとんどは雌猫だったようです。

本作は、小悪魔な猫のリリーを中心に、愛猫家の庄造、前妻の品子、後妻の福子の三角関係を描いた物語です。

人間が猫に振り回されるという、はたから見たらバカらしいやりとり、でも本人たちはいたって真剣なところが滑稽で面白いです。

テンポのよい文章が心地よく、猫の描写は官能的で秀逸な作品です。




「猫町」

「猫町」画像
出典:Amazon

著:萩原朔太郎
画:金井田英津子


幻想的な猫世界に迷い込む

詩人・萩原朔太郎の唯一の短編小説です。

猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりの不思議な町が登場します。
それは寂しくて暗いけど、ほっとする暗さです。

詩人らしく幻想的な作品で、読者を不思議の旅に妖しく誘います。
装丁、挿絵も素晴らしく本棚に飾ると絵になります。




「ノラや」

「ノラや」画像
出典:Amazon

著:内田百閒


ノラや、お前はもう帰って来ないのか…

夏目漱石の弟子で、無類の猫好きである内田百閒の悲しみを綴った作品です。

気難しい百聞先生は、ひょんなことから猫を飼いはじめノラと命名し溺愛します。
ところがある日、ノラは忽然と姿を消してしまいます。 日々泣き暮らす百聞先生の痛々しい傷心ぶりは、哀れでおかしくもあり深い感動を覚えます。

読みはじめたら止まらなくなるペットロス文学です。




「吾輩は猫である」

「吾輩は猫である」画像
出典:Amazon

著:夏目漱石


吾輩は猫である。名前はまだ無い。

猫である吾輩の人間観察をユーモラスに描いた名作です。

猫の目を通して人間社会を描くという発想は、当時の文学界に大きな影響を与えました。 この日本一有名な猫小説は、夏目漱石の処女小説であり、漱石の文名を高めた作品でもあります。

吾輩のモデルは、当時、漱石が飼っていた猫です。名前はつけませんでしたが、猫が亡くなった時、漱石は裏庭の桜の木の下にお墓を作り、「この下に稲妻起こる宵あらん」と追悼の一句を捧げました。そして知人たちには、死亡通知のハガキを送っていたようです。

名前のない猫の吾輩に感謝していたのかもしれません。




「猫だましい」

「猫だましい」画像
出典:Amazon

著:河合隼雄


猫のことがわると人の心もわるかも

猫を通して人間の心について考える、というコンセプトの本です。
古今東西の猫に関する本の解説を「猫」と「たましい」を関連づけて説明しています。

読んでみたい本がみつかったり、読んだことのある本に対しても新たな発見をすることができます。